プロダクトバックログにUIを含めてはならない
2021年春から、プロダクトオーナーという立場になりました。プロダクトオーナーとして理解できたこと、できなかったことをここには書いていきたい。第一回目の今回は「プロダクトバックログにUIやUXの具体な情報を入れてはならない」ということを書こうと思います。
チーム事情という名の前提
僕のいるスクラムチームは非常に独特な状態です。一般化できないと思うので、チーム状況を書いておきます。
- ステークホルダーはほぼ英語がわからない
- 僕はほんの少し英語が分かる(テキストコミュニケーションにおいてはDeepLが時々必要。口頭のコミュニケーションでは4割り程度の理解力)
- 開発チームは全員英語話者
- 開発チームはまさに100%開発者であり、デザイナーやテスターやリサーチャーはいない
- 一部のメンバーは海外におり、ミーティングはTeamsなどで実施している
- 僕もデザイン経験はない
これらの条件を元に理解したことなので、再度書くけれど一般には通じないと思います。
プロダクトバックログにUX(UI)を含めてはならないと思った理由と対処
先に結論をさっと書いておきます。
- プロダクトオーナーという肩書により、上下関係であると(契約上、僕は正社員で彼らは契約社員であることも影響している)勘違いする。
- デザイナーの経験もない僕が考えたUXなど、絶対に抜け漏れがあるし、上記の理由によって、抜け漏れがある状態で成果物が挙がってくる。
①については補足の必要があると思いますが、彼らは僕が務める会社にインターンシップとして参加し、その後入社しています。そのため、僕は先輩であり上司であるという意識が彼らにはあります。そのせいか、僕がUIを伴うサンプルドキュメントを提示したところそのまま実装が進められました。
その結果、明らかに思慮が足らない部分があり、修正に苦労したという経験があります。僕にデザインの経験があったり、チーム内にデザイン経験者がいれば避けられたことだと思います。
①については解決案を書くときに以下のことを意識して解決を図っているところです。
- ビジュアルを伴うものを書かない
- これは課題を解決するためのサンプルであり、新しいアイデアを歓迎していますと添える
ビジュアルを伴わずにイシューと解決策を共有する方法
上記の失敗を元に、2021年9月初週以降は以下の2つを記入するようにしています。始めたばかりなので、以下の対策でどう変化するかはわかりません。
ざっとまとめると、何で困っているのかの具体例を書くこと。そして、解決のために必要なアクションを複数案書いておくことです。
- 課題の具体例
- ユーザーができること
課題の具体例は「ユーザーとして、簡単な操作で記事を書き、Webに公開したい。HTMLを書いて記事を作るのは習得に時間がかかるし、社内の誰でもできるようにするには時間もお金もかかりすぎてしまう。それではインターネットを利用した広告活動は展開できない」といった感じです。
ユーザーができることについては、UIに言及せず、シンプルにやりたいことを書いています。下記のような感じです。それと、参考にしたUIのスクリーンショットなどを添えます。
- Sample behavior
- ユーザーは自分の持つサーバーにシステムを無料でインストールできる
- インストールしたシステムにログインできる
- ログイン名が必要
- 英数とハイフン、アンダースコアが利用できる
- パスワードが必要
- 英数記号全てが利用できる
- ログイン名が必要
- 新規作成のボタンがある
- 新規に記事を作成できる
- 記事作成はWordライクな操作で、下記のタグが簡単に利用できる
- 見出し
- 段落
- リスト
- 記事を保存するとき、公開はせずに保存できる
- 記事を公開にすると一般ユーザーが閲覧可能になる
- 公開済みの記事を削除できる
- 記事作成はWordライクな操作で、下記のタグが簡単に利用できる
- ………more
- 新規に記事を作成できる
さて今日は以上です。